骨美容®︎(ほねびよう)のこと。ゆりクリニック

港区田町駅前のゆりクリニック院長のブログです。

人工股関節の手術を受けられた方へ ーステッカーできました!ー

yomidr.yomiuri.co.jp

人工股関節の手術を受けられた方に耳寄りなお知らせです。

人工股関節の手術を受けると、海外空港の保安検査場で金属探知機に反応してしまうことがあり、場合によっては別室で検査を受けるなど時間がかかったり煩わしいこともあるため、患者さんからはどうしたらいいのか相談を受けることがたびたびありました。

これまでは人工股関節が入っているというオフィシャルな証明書などは特に存在せず、人工股関節の医療機器メーカーが独自に作成しているものに記入したり、主治医が英文で診断書を作成したりして対処してきました。

このたび、日本股関節研究振興財団で患者さんが旅行の際に持っていける人工股関節ステッカーを作成したそうです!以下のホームページから申し込んで郵送してもらうことができます。

 

HJFJ人工関節ステッカーページ | 公益財団法人 日本股関節研究振興財団

 

せっかく人工股関節手術を受けて痛みから解放され自由に海外旅行へ行けるようになったのに、保安検査場が心配で旅行をためらっている方は、ぜひご活用くださいね。

 

追記:ゆりクリニックでもこのステッカーを少しですが分けていただけることになりました。どうぞお声がけください。

 

ゆりクリニック

院長 矢吹有里

骨粗鬆症医療連携フォーラム@品川

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昨夜は品川で骨粗しょう症の医療連携フォーラムでした。

以前一緒にお仕事をしていた慶應義塾大学整形外科・岡田英次朗先生のご講演。骨粗しょう症による背骨の圧迫骨折の最新の治療方法や、その後の医療連携の大切さなどについてのお話でした。

岡田先生は、圧迫骨折に対するBKP(Balloon Kyphoplasty=経皮的椎体形成術)の第一人者です。BKPとは、圧迫骨折を起こした背骨に細い管を通して風船を入れ、骨折で潰れてしまったところを膨らませて、骨セメントを注入し固める治療法です。傷も小さく局所麻酔で短時間で済み、骨折による痛みをすぐに和らげることのできる、患者さんにとっては負担の少ない治療法です。

骨粗しょう症の治療は、骨折を起こさないことが最大の目標ですが、残念ながら骨折を起こしてしまった場合も、このように適切な治療を行うことで、寝たきりとなるのを防ぐことができます。

そして、骨粗しょう症による骨折の治療は手術をすれば終わりではありません。一度骨折をした方は次々に骨折を引き起こすことが多く、これを「骨折の連鎖」と呼びます。これは絶対に予防しなければなりません。そのために手術後もかかりつけ医との連携をしっかりと行い、内服薬や注射などで治療を継続することがとても大切なのです。

 骨粗しょう症の治療はこつこつと、根気よく続けましょう。

 

ゆりクリニックでは、更年期のころから皆様に骨粗しょう症に関心を持っていただくための「骨美容®︎」をご提案しています。

骨密度が気になる方はぜひご相談くださいね。

 

ゆりクリニック

院長 矢吹有里

日本美容皮膚科学会に参加しました

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週末は東京フォーラムで開催された第36回美容皮膚科学会に参加し、美容皮膚科領域の最新の治療やスタンダードな治療などについて幅広く発表を聞きました。個人的にはヒアルロン酸をはじめとするさまざまな注入剤とその使い方のポイント、自動注入用の器具や、PRP療法についての最新の知見など、知りたかったことをより深く知ることができとても勉強になりました。特に顔面の骨萎縮がある場合の靭帯を支える注入方法は、骨美容®︎︎︎の面からもとても理にかなった注入方法だと確認することができました。

こうして一度に新旧さまざまな治療方法をみると、新しい治療には目を奪われがちですが、効果がまだはっきりとわかっていないものや、商業目的のものがあることも事実です。一方長年行われてきたスタンダードな治療法は、それだけ医療分野で信頼を得てきた実績があり、古くからあり長年続いている治療こそ安心できるという側面もあります。私たち医療者は科学者としてきちんとエビデンスに基づいた医療を選ぶ目を持たなければなりません。そんなことをあらためて考えさせられる貴重な機会でした。


土曜日は当クリニック金曜日の美容担当のあや先生と一緒でした。あや先生は翌日は先月の豪雨被災地の倉敷でボランティア活動を行うとのことで、午前の診療後の忙しい時間を縫っての参加です。あやクリニックは先の熊本地震の時にもスタッフ総出でボランティア活動を行うなど、社会貢献にも熱心で本当に頭が下がります。

これからも私たちが今できること、を日々考えながら診療にあたります。

台風が近づいていますので、皆様もお気をつけてお過ごしくださいね。

 

ゆりクリニック

院長 矢吹有里

 

カンファタブルエイジングのすすめ

7月もあっという間に月末です。今月は豪雨災害があったり、その後の猛暑、週末の台風と大変なひと月でした。日頃の備えの大切さを実感する毎日でもありました。被災された方々が少しでも早く安心した生活に戻れますように。心よりお見舞い申し上げます。

 

 今日は、年齢を重ねることについて私が思っていることについてお話ししたいと思います。

私も更年期と呼ばれる年齢を迎え、体の変調を感じる毎日です。特に40歳を過ぎてからは疲労がなかなか取れず、急性期病院に勤務していた頃は当直明けで寝不足だと、その後回復するまでに数日かかるようになりました。恥ずかしながら、自分の体に耳を傾けるようになったのはこの頃からです。それまでは忙しさにかまけて自分の体をいたわることはほとんどありませんでした。整形外科医としてバリバリと音を立てながら頑張ってきた体力を過信して、食事を抜いたり、夜更かしをしたり、深酒をしたり、休みの日も動き回って体を休めなかったり…。医者の不養生とはよくいったものです。それでもなんとなくやっていけた、というのが正直なところでした。丈夫に産んでくれた両親に感謝しなければなりませんね。

でも、「疲れたー」と感じたときに、じっくりと自分の体と対話するようになると、ひと月の間にもホルモンの変化によって体調や気分に変化があることがよくわかるようになりました。それ以来、疲れているときはなるべく気持ちをゆったり持つこと、「私、疲れているの。誰のせいでもなくホルモンのせいなの。」と家族に伝えること(これは意外に自分も家族もスッキリして効果的です)、早めにたっぷり睡眠をとることなどを心がけています。

誰でも年齢は重ねるものです。

体の変化はなかなか受け入れられるものではないかもしれません。でも、年齢のせいと諦めずに変化の仕組みを理解して、私たち女性がホルモンにどれほど影響を受けているかを知ると、疲れている時には体を労ってあげる、大丈夫な時にはちょっと頑張ってみる、などメリハリの効いた生活ができるようになる気がします。

こんな風に過ごしながら、元気で仕事をして、美味しいものを食べて飲んで、好きな人たちと楽しく過ごす時間ができるだけ長く続くことが私の理想です。

年齢にあらがうだけのアンチエイジングではなく、自分にとって心地よい年齢の重ね方=カンファタブルエイジング、は私がおすすめしたい年齢の重ね方です。それぞれの人が無理なく、自分らしく年齢を重ねること。病気があっても、日常の生活をうまくやり過ごしながらご機嫌でいられるとしたら、それはそれで幸せかもしれません。

ゆりクリニックは皆様のカンファタブルエイジングのお手伝いをしたいと思っています。なんとなく不調だな、と感じたら、どんな小さなことでもご相談ください。

 

写真は今話題の矢部太郎さんの『大家さんと僕』。大家さんと矢部さんの交流がほわっと温かくてとても素敵です。

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ゆりクリニック

院長 矢吹有里

骨美容のこと。雑誌掲載のお知らせ。

本日発売の『週刊女性』(7月17日号)に監修した記事が3ページにわたって掲載されました。

    「芯からキレイに!今こそ骨美容」

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私が提唱する骨美容とはなにか、骨粗しょう症治療がなぜ大切なのか、女性の立場からとってもわかりやすく書かれています。

みっちり骨子さんとスカスカ骨子さんのイラストがキモかわいいです!

ぜひお手にとってご覧くださいね。

 

ゆりクリニック

院長 矢吹有里

 

『植物男子ベランダー』

関東地方は梅雨が明けて、あっという間に真夏になってしまいました。突然夏になったので、体もびっくりしています。水分補給はこまめにしなければなりませんね。

もう少し長持ちすると思っていた紫陽花も、とうとう花の色が焼けて終焉を迎えたので、今日は思いきって花芽を摘みました。花を摘んだあとは「礼肥」といって肥料をやります。礼肥という言葉、なんだかいいですよね。お花を楽しませてくれてありがとう、来年もまた花を咲かせてね、というお礼の肥料です。来年もまた咲きますように。

 

ベランダに緑を置いています。多肉植物や色の綺麗な花の寄せ植え、ガジュマル、熱帯スイレン(+メダカ)などです。

夏の朝は早起きをして植物(+メダカ)の世話をするのが日課なのですが、最近NHK地上波の『植物男子ベランダー』というドラマが面白くてハマっています。いとうせいこうさんの原作で田口トモロヲさん主演の、ベランダで植物を育てる男性の物語です。現在シーズン4を放映中。話の合間のミニコーナー(多肉・愛の劇場とか)、流れる音楽の選曲も含めてなんともおしゃれでオタクっぽくて、根がオタクの私はワクワクしながら観てしまいます。

 植物が、自分で季節を感じとって成長していく姿を見ているのが大好きです。新芽が出ればかわいくてたまらないし、乾いた土が水をゴクゴクと吸い込んでいくのを見ると自分までみずみずしくなったような気持ちになります。

人間の力なんて到底及ばない自然の偉大さを自宅の小さなベランダで感じて楽しんでいます。

 

写真はクリニックの多肉たち。ゆっくり成長中です。

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ゆりクリニック

院長 矢吹有里

 

 

震災と神谷恵美子の『生きがいについて』

月曜日に起こった近畿地方の大きな地震では、たくさんの方々が被災され今も不自由な生活をされていることと思います。

 

5月のNHK Eテレの「100分で名著」は神谷美恵子の『生きがいについて』でした。

神谷美恵子精神科医師で母校の先輩です。私がまだ20代だった頃に『こころの旅』とこの『生きがいについて』を先輩に薦められて読み、深い感銘を受けました。それからなんども引越しをして、古い書籍はリサイクルに出して処分していましたが、この2冊だけはいつでも手元に置いておきたい本として大切に取ってありました。

番組では神谷美恵子が『生きがいについて』を執筆するにあたり、ハンセン病の療養施設で暮らす患者たちと接することで、自分が考えてきた「生きがい」についての考えをまとめ上げる過程を、批評家・随筆家の若松英輔さんが細やかに解説していました。若松さんは東日本大震災の後、堪え難い試練に直面した人たちが、どのようにして立ち直っていくかを考える中で『生きがいについて』を読み返したとのことです。

 私もこの放送をきっかけに、この本をもう一度読み返してみました。素晴らしい本だということはもちろんなのですが、若い頃とはまた違った、静かにじわじわと心に染み込んでいくような感覚を味わいました。

なかでも、「生きがい」は社会や人が与えることはできず、自ら発見していくもの。生きがいを見つけるときには、自分の身を自然の中に投げ出して、人間が自然や大地に生かされているという実感を得るところから始まる、という神谷の考え方には深く共感します。

 私自身もこれまで、かなしみや困難なことに直面したとき、まさにこんな感覚を得ながらまた生きがいを見出してきたような気がするのです。

機会があればぜひ皆さんにも読んでいただきたい本です。

 

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写真はベランダの紫陽花。深い紫のグラデーションがお気に入りです。

雨に濡れている姿がとても美しく、毎朝癒しを与えてくれます。

 

被災された方が少しでも早く、元の安らかな生活に戻れますように。

心よりお見舞いを申し上げます。

 

ゆりクリニック

院長 矢吹有里